撮影ロジャー・ディーキンスがすごく良かった。
絵の画角がきっちりしていて、人がその中に配置されている。
音楽もなく、状況音と台詞で構成されている乾いた世界。
とうぜんなことだけど、絵の表現が世界観を強烈に残す。
見た後に、残っているものはこの肌触りだけ。
なにが言いたいのだろう。簡単なストーリーなのに、
もっと複雑な何かがあるような気持ちにさせる。
狩りにきた男の前に、共倒れした男達の死体が転がっている。
麻薬の取引でのトラブルらしい。そこにあったのは、札束が入っているかばん。
男はそれを持ち帰る。
その男は逃げる、殺し屋は追う。
物語は、保安官が語りながら、逃げる男と、殺し屋の二人を軸に進む。
その語りの最後が、デビッドリンチの映画のような後味を残すのだと思う。
原作を読めば、なにかがわかるのか、わからないのか。